スローガンの共有で終わる“マネジメントごっこ”から抜け出し、現場で成果を生む実務に踏み込む——本書はそのための地図とコンパスだ。出発点はドラッカーの基本にして最強の5つの問い。
「われわれのミッションは何か」「顧客は誰か」「顧客にとっての価値は何か」「成果は何で測るか」「次に何を計画するか」。著者はこれらを会議のアジェンダや日々の意思決定に落とし込む手順を、シンプルなシートと問いのセットで示す。
時間の棚卸しでムダを可視化し、重要な仕事にカレンダーを先取りでブロックする。強みの棚卸しとフィードバック分析で、個人も組織も“できること”に資源を集中する。やらないことを決める「計画的な廃棄」は、惰性の業務と過去の成功体験を静かに手放す技術として描かれる。
意思決定は「完璧を待たず、仮説と指標で小さく回す」を合言葉に、検証・学習・改善のサイクルへ。数値目標だけでなく、価値仮説と行動仮説をセットにして語ることで、現場の動きが変わる。
日本の組織で起こりがちな“会議は多いが進まない”“顧客の声が部門をまたぐと薄まる”といった壁に対し、著者は具体的な設計(会議の目的・決定基準・期限・責任者を明文化)とシンプルな運用(週次レビューと月次のフィードバック分析)で突破口を示す。
管理職だけでなく個人にも効く——「自分の仕事を顧客価値で再定義し、成果で語る」ための、手が汚れる実践の書。読み終える頃、あなたのカレンダーと会議体、そして顧客の定義が更新されているはずだ。