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販売促進、マーケティングやコピーライティング、文章作成の「本のオススメ」や要約を紹介します。

文章力の鍛え方完全ガイド|樋口裕一式実践メソッド

 樋口裕一著『文章力の鍛え方』は、文章を書くことに苦手意識を持つ人から、さらにワンランク上を目指したい人まで、幅広い読者の悩みに応える実践的な指南書です。著者が繰り返し強調するのは、「文章力とは特別な才能ではなく、考える力を鍛えれば誰でも身につけられる技術である」ということ。つまり、良い文章を書くためにはまず、自分の考えをしっかりとまとめ、その上で「何を・誰に・なぜ伝えたいのか」を明確に意識することが最も重要だと説きます。

 

 本書では、文章力を高めるための具体的なトレーニング方法が段階的に紹介されています。まず最初に取り組むべきは「自分の意見や伝えたいことを一言でまとめる練習」です。これにより、文章の芯ができ、ブレずに相手へメッセージを届けることができます。次に、「根拠を明示し、具体的な例を挙げる」ことで、説得力と分かりやすさが格段にアップします。著者は、抽象的な表現を避け、できるだけ具体的なエピソードやデータを盛り込むことを推奨しています。

 

 また、文章の構成にも工夫が必要です。樋口氏は「起承転結」や「序論・本論・結論」といった基本的な「型」を徹底的に身につけることが文章上達への近道だと述べています。こうした型を繰り返し練習し、自然に使いこなせるようになれば、論理的で筋の通った文章がスラスラ書けるようになります。さらに、本書では日常的にできるトレーニングとして、日記や読書感想文、エッセイ、ビジネス文書などさまざまな文章の例とその書き方が丁寧に解説されています。

 

 「読者の心をつかむには、まず自分の感情や経験を素直に表現することが大切」と著者は語ります。自分の体験を交えながら、相手に寄り添い、共感を呼び起こす工夫が、印象に残る文章を生み出します。また、文章を書いたら必ず「推敲」を行い、無駄な言葉や曖昧な表現を省いて洗練させることが、文章力を一段と高めるポイントです。

 

 本書は「書くこと」に悩むすべての人に寄り添い、実践的なヒントと勇気を与えてくれます。学校や仕事、日常生活のあらゆる場面で「伝わる」文章を書くためのエッセンスが凝縮された一冊です。文章力を鍛えたいあなたに、ぜひ手に取ってほしい実用書です。