ちひろワールド~●文章の作成、時々就職活動の話題、●マーケティングやコピーライティングなどの販売促進本のオススメ

販売促進、マーケティングやコピーライティング、文章作成の「本のオススメ」や要約を紹介します。

藤田勝利が語る本物の経営術入門

 「マネジメントの父」と称されるピーター・ドラッカー。その思想を最先端で学ぶ「ドラッカー・スクール」での経験をもとに、著者・藤田勝利は日本的経営の常識を根底から問い直します。本書の最大の特徴は、単なる理論の紹介ではなく、著者自身が体験したリアルな学びと気づきを通して、マネジメントの本質へと読者を導く点にあります。

 

 藤田氏は、マネジメントを「組織をして成果を上げさせるための仕事」と定義し、数字や効率だけを追い求めるマネジメントがいかに本質から外れているかを指摘します。ドラッカーが徹底的に重視したのは「人」の存在。人それぞれの強みを最大限に引き出し、共通の目的に向かって力を合わせることこそ、マネジメントの真髄だと説きます。

 

 また、ドラッカー・スクールでは徹底的な対話とフィードバックが重視されており、そこには「正解のない問い」を考え抜くプロセスがあります。他者の意見に耳を傾け、異なる価値観を受け入れることで、多様なアイデアや解決策が生まれていく。日本の現場でありがちな「上からの指示待ち」や「前例踏襲型」の働き方に、藤田氏は警鐘を鳴らします。

 

 本書は、マネジメントを「技術」や「スキル」だけでなく、「哲学」として捉えることの重要性を強調しています。目的意識を持ち、組織や社会の未来に責任を持つリーダーこそが、これからの時代に求められる人材です。ドラッカーの教えを実践し、個人も組織も持続的な成長を目指すためのヒントが満載。マネジメントに携わるすべての人が「自分の仕事の意味とは何か?」を問い直したくなる一冊です。