テレビや新聞に取り上げられるのは大企業だけ――そんな思い込みを覆すのが『0円PR』だ。著者・笹木郁乃氏は、広告費ゼロ・担当者一人という制約下で自社商品を3500媒体に掲載した実体験を軸に、個人や中小企業でも即実践できるPR方程式を公開する。鍵は「ニュース価値の発掘」。①自社の強みを数字で可視化し、②社会課題や時流と掛け合わせて角度を設計、③記者が一目で要点をつかめるプレスリリースに落とし込み、④相性の媒体へピンポイント送付、⑤取材後はネタ追加とデータ更新で関係を深耕―この五工程だけで広告換算数千万円規模の露出を生む。
メディア経験も人脈もゼロだった著者は「自社と社会の交差点にこそニュースが生まれる」と信じ、子育て用品からBtoBまで成果を量産。本書では「0秒で読める見出し」「引き算の写真」「逆取材を呼ぶ一行メール」など記者心理を突く技を事例付きで解説し、ワークシートで自社専用ネタ帳まで完成させる。炎上リスクの抑え方、独占記事を提示する交渉、SNS拡散やEC売上増を呼ぶ二次活用も網羅。
“なぜメディアは無料で企業を取り上げるのか”という裏側の論理を解剖し、プレスリリースを営業ではなく贈り物へ昇華させる構造も提示。最小のコストで強いインパクトを生む“ゼロ円広報”の思想はスタートアップはもちろん自治体やNPOにも応用できる。予算も経験もなくても挑戦する意志さえあれば情報は無限にタダで拡散する─読み終えた瞬間、あなたを発信側から“取材される側”へと変える一冊。
